急性骨髄性白血病で同種移植

ともに過ごしていた患者さんの中で、私がすごく力をもらったイケちゃん。
彼女は私と同じ時期、白血病の再発で入院していました。
同じ病気の人は、とても力になると思うので、長いけど読んでみて下さい。

肌の乾燥を気にして、顔パックを欠かさず過ごしていたのが印象的なイケちゃん(笑)
ナーバスになるようなたくさんの要素を笑顔でくぐり抜け、
当時、彼女自身「あまりに色々で、もう笑っちゃうよね」なんて言ってました(笑)
本当にコロコロ笑いながら、色々な事を教えてくれました(^-^)

彼女はもともと血管が細くて、そのため採血も大変そうでした。
点滴の為の中心静脈カテーテルは、首からの挿入を4回試みて断念。
中心静脈カテーテル班から「うちでは無理です。。」と断られるぐらい細い血管。
結局、小児科チームにカテーテルの挿入を依頼。
小児科さんたち用の、胸からのカテーテルとなりました。

私が彼女と仲良くなったのは、この時期。
洩れ聞こえる看護士さんとの会話から、カテーテルでつまづいてる様子がわかり、
なのに「仕方ないし平気ですよ☆」って、笑いながら病院をいたわってる。
なんかもう、話しかけずにはいられませんでした(^-^)

彼女は、同種移植を行う事が決まっていたのですが、
移植前にもある程度「白血病細胞」を減らすため、何回か抗がん剤治療を繰り返しました。
でも彼女の細胞は抗がん剤に対して耐性がついたのか、薬が全く効きませんでした。
治療前は10%だった白血病細胞が、治療をしている間にもどんどん増えて、
治療を3クールやるうちに、最終的には85%まで増え、
それでも彼女は「逆に笑っちゃうよね(。-∀-)」とメゲしらず(笑)
それを踏まえて移植に。

彼女はお兄さんからの造血幹細胞の提供で同種移植。
「俺の血を入れれば大丈夫!」ってお兄さん。
こんなに強気なドナーさんは珍しくて、先生もビックリされてたそうです(笑)

イケちゃんが受けた、同種移植前の抗がん剤レジメンは通称「キロサイド大量」。
本人は「キロサイド大量」で許される最大5日間の投与を希望してたのに、
ドクターからは「他への影響があるから」と3日間の提示。

移植で使う抗がん剤は、骨髄を叩きまくる強力なものだから、
各血球ともほぼ「0(ゼロ)」になります。
白血球も血小板もなくなります。(だから無菌床で治療を行います)

口内に虫歯や炎症があったなら、その炎症由来で痛むわ高熱でるわで大変です。
他にも肺炎や腸炎や大腸炎、色々な合併症を懸念しながら進めるから、
予め予防できる合併症や炎症は抑えておかなければならないのに、
彼女は抜歯した方が良い歯を抜くには時間が足りず、懸念を残したまま移植に挑みました。
そういう経緯もあって「キロサイド大量」は3日間になったようです。

そしてその歯ぐきの炎症がやはり発熱をうみ、イケちゃん熱発。
私はその頃に、彼女のお隣りの無菌室へお引っ越し。
高熱がでてるハズなのに、看護士さんが彼女の部屋へ行くと、
看護士さんと話す彼女の明るい笑い声が聞こえ、
私は「無理してない?大丈夫?」と思ったりしてました(^-^)

そのうち彼女は舌に口内炎ができたりして、本当に何も食べる事ができなくなり、
(症状が落ち着くのは、ドナー細胞が正着して血球が増えて来てからだから)
それまで抗生剤に力を借りながら、動けず食事もとれず、待つばかりの日々でした。
でも電話で話すとやっぱり明るい声でした。

移植後クリーン解除になってからも、
GVHDが消化器に出て「お通じが緑」の日々を送っていたり、
免疫抑制剤の副作用で顔が痺れた時期があったり。
でもいつも明るく、自分のからだに不満を思っても不安を思わず、クリアしていきました。
彼女いわく「執念で勝った」そうです(^-^)

ステロイドの副作用で、まだ顔がムーンフェイス気味で、
彼女は「このままかもー」なんて笑ってますが、これはゆっくり戻ります(^-^)
色んな事を笑顔で越え、今では白血病細胞もなくなり、とても元気に過ごしています。

ねえイケチャン、こんな感じであってる?(笑)
あなたの話はきっと、同じ病気の患者さんにとって、すごく力になると思うわ(^-^)

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